夫婦問題カウンセラーの三枝照子です。

「夫が謝らない」と、ご相談をいただきました。
「うちの夫、絶対、あやまらないんです!明らかに自分が悪いのに!」
夫婦喧嘩をした時、たいがい
妻は口だけで謝り、
夫は悪いと思っても謝らない。
女性が正論を言う場合、
「正しくないから、謝って!!!」
と言います。
一方、男性は、
「正しくないってことは、わかった。
だから、行動を変える。」
欠落するのは、「ごめん」という言葉。
夫が謝らない理由とその対策
夫が謝らないことで家庭内のストレスが増大し、夫婦関係が悪化することは珍しくありません。
本記事では、夫が謝らない理由やその心理的背景について詳しく解説します。
また、喧嘩のおさめ方や適切な話し合いのポイント、感情を理解するコミュニケーション方法などの具体的な対策もご紹介します。
さらに、妻がやりがちな無効なアプローチを避ける方法や、夫の自尊心とプライドに対する理解を深めることで、より良い夫婦関係を築くためのヒントを提供します。この記事を読むことで、夫が謝らない理由を理解し、その対策を実践する手助けとなる情報を得ることができます。
1. 喧嘩のおさめ方とは?
1.1 適切な話し合いのポイント
夫婦喧嘩を円満に解決するためには、以下のポイントを押さえることが重要です:
- 冷静なタイミングを選ぶ: 感情が高ぶっている時には話し合いは避け、双方が冷静になった時に話し合いを開始すること
- 「大切なこと」を平日の夜に話し合わないこと!仕事で疲れていますし、夜は感情的になりがち。
- 休日の午後など、時間に余裕がある時に、人目のある喫茶店などで話し合いをする。
- 批判ではなく意見を述べる: 感情的に激しい言葉を使わず、自分の意見や感想を述べる。
- お互いの感情を理解し尊重する: 相手の感情に耳を傾け、理解する姿勢を持つことが大切です。
- 相手が話終わるまで、口を挟まない。
- 相手の話を聞きながら、次に何を言おうか考えないで、ちゃんと聴く。
これらのポイントを頭に入れて話し合いを行うことで、建設的な対話が可能になります。
1.2 妻がやりがちな無効なアプローチ
妻がついやってしまいがちな無効なアプローチは以下の通りです:
1.2.1 話し合いに挑む
感情的な対立が激しくなりがちで、「話し合い」の時点でお互いが戦いモードに入ってしまうことが多いです。
挑む時点で、戦う気まんまん!
決裂して、相手がモノに当たったり、自室などに行ったりしても後を追いかけてはいけません。
感情的になった時は、物理的に離れること。
結論を突き詰めないことが大切です。
1.2.2 過去の時例を挙げる
過去の出来事を持ち出し、責め立てるような形になることが多いため、問題解決には繋がりにくいです。
「あなたはいつもそう!」(過去)
「いくら言っても、絶対変わらないよね」(未来)
過去や未来の問題を持ち出してしまうと、今、解決すべき問題を見失ってしまいます。
1.2.3 自己反省を促す
相手に「反省」を促してもうまくいかないことが多く、かえって相手を頑なにさせる結果になりがちです。
妻に攻めたてられた夫が反省なんてするはずもなく、もし反省する夫であっても、行動の癖はそんなにすぐに変わりません。むしろ家庭から足が遠のいてしまったり、本当のことを妻には言えなくなってしまうこともあります。
これらのアプローチは多くの場合逆効果であり、労力を使う割には結果が得られないため、避けるよう心掛けると良いでしょう。
アプローチ | 理由 |
---|---|
話し合いに挑む | お互いが戦いモードに入りやすい |
具体的な例を挙げる | 過去や未来を持ち出して責める結果になる |
自己反省を促す | 反省を促しても効果が薄い |
正しいアプローチを心掛けることで、夫婦関係を改善する道が開かれるでしょう。さらに詳しい対策としては、信頼できる相談機関やカウンセリングを利用することもひとつの方法です。
2. 夫が謝らない心理的理由
2.1 自尊心とプライドの影響
夫が謝らない一つの理由には強い自尊心やプライドが関与していることがあります。
謝罪をすることが、自らの価値を傷つけると感じてしまうのです。
社会的にも家庭内でも評価を求める場面が多い現代の男性にとって、このような心情は顕著です。
特に、真面目で、学歴や社会的地位の高い男性は、自分の力でここまでやってきた、という自負があり、自分が謝らなくてよい正当な理論をとうとうと述べることができてしまうのです。
そんな夫が家事や育児でミスをした際、「謝ることで自分の能力が否定される」と感じることがあります。このため、夫が謝罪を避けるのは自らの存在価値を保ちたいがための行動といえます。
実は自己肯定感が低く、それを覆すために頑張ってきた人生の実績がある場合には、なかなか謝ることはしません。
2.2 男性にとっての「行動」の重要性
女性が言葉を大切にするのに対して、男性は行動で示すことを重視する傾向があります。
これは「行動で変えることで問題を解決する」という思考様式によるものです。
男性にとっては、行動を改めることが最高の謝罪と考えることが多いです。
たとえば、夫が家事に協力しなかった場合、言葉で「ごめん」とは言わずとも、過去の失敗を反省して行動を改善することが強調されます。
これにより、言葉での謝罪とは異なる形で誠意を示すことができるのです。
2.3 心理的な防御メカニズム
謝罪を避けることが心理的な防御メカニズムとして機能する場合もあります。
特に、自分が間違えを受け入れたくないという感情が強い時に、謝罪をすることで精神的な負担を避けようとする行動が見られます。
カウンセリングの現場でも、このような心理状態にある男性のケースが報告されています。
謝罪をしないことで自己防衛を図り、精神的に安定した状態を維持するのです。
2.4 文化的背景と社会的期待
令和の時代になっても、やはり日本文化特有の背景や、社会的期待からも夫が謝らない理由が見出されます。
「結婚とは、こういうもの」という概念は、その人が育った家庭で育まれるものですが、もしもあなたの夫が育った家庭が、古き良き男性中心の家庭だった場合、良くも悪くも、その影響を受けていると考えてよいでしょう。
たとえば、家庭内での役割分担や、伝統的な性別役割の影響により、男性が謝ることがそもそも期待されていない場合があります。
このような背景から、男性が謝罪を避ける傾向が強まるのです。
2.5 感情の表現方法の違い
最後に、男性と女性の感情の表現方法が異なることも原因の一つです。
女性が感情を言葉で表現するのに対し、男性は感情を行動や沈黙で示すことが多いです。
これが夫が謝罪の言葉を避ける理由となっていることもあります。
たとえば、夫が感情的な場面での対処法として沈黙や行動を選ぶ場合、妻からは「なぜ黙ってるの?」という不満が生じます。
感情の表現方法の違いを理解することが、夫の謝罪の難しさを解消する一助となります。
3. 効果的な解決方法
3.1 正しい・悪いを突き詰めない方法
夫婦関係において、「正しい」「悪い」を突き詰めることは平行線を招きがちです。
喧嘩がエスカレートする前に、強い感情を落ち着ける時間を取ることが重要です。
たとえば、トイレに行ったり、コンビニに出かけたりして、物理的にその場を離れてみましょう。
- トイレに行くことで一時的に感情を落ち着ける
- コンビニや散歩などをして気持ちをリセットする
一晩置くなど、時間を置くことで冷静になることができます。こうして感情が高まり再燃するのを防ぎます。
3.2 感情を理解するコミュニケーション
夫婦の仲直りには、お互いの感情を理解することが必要です。
喧嘩の直接の原因を追求し結論を突き詰めるのでなく、寸止め!
相手を言動を責めることをやめ、お互いの感情に寄り添うことが大切です。
次のような言葉を使って、お互いの思いを伝えます。
- 「昨日は、嫌な気分にさせてごめんなさい。」
- 「あなたが行動を変えてくれたことを感謝していますが、言葉は大切です。一言、「ごめん」と言ってほしかった」
男性は謝れないもの、そう理解して、相手の行動の変化があったなら、それは認める。
その上で、改めて、「私は、言葉で伝えてくれないと分からないのです。できるだけ、言葉にしてね」と、根気よく伝え続けることが大切です。
夫婦問題 | アプローチ | 効果 |
---|---|---|
夫が謝らない | 行動を認める・言葉を求める | 夫の行動が改善し、関係が強化される |
感情のすれ違い | 感情を理解するコミュニケーション | お互いの気持ちがわかり合える関係になる |
4. まとめ
女性は、「心を感じることができる言葉」を望みます。
男性は、「行動」を重視します。
謝らない夫に無理やり謝らせようと、エネルギーを使っても、疲れるばかり。
ケンカの直接の原因になった事柄の「正しい」「悪い」を突き詰めても答えは永遠に出ません。
夫婦喧嘩の場合、どちらかが100パーセント悪いなんてこともありません。
相手に「悪かった」と認めさせてこの場の戦いに勝つことよりも、大切なのは、仲直りをすること。
夫を責めたことによってイヤな気分にさせたことについては、謝る勇気も必要です。
「昨日は、イヤな気分にさせてごめんなさい。
あなたが行動を変えてくれたことはわかった。
それは、ありがとうね
でも、ちゃんと言葉で言ってくれないと
わからないんだよね」
夫婦の間に必要なのは、
相手を責める話し合いではなく
相手の感情を理解する「言葉」です。
「言葉」が大切だと
言い続けることです。
ずっとハッピーがつづくマリッジライフ、応援しています!
ティダテラス 照子