ポイント
北風よりも、太陽で
夫婦の関係を改善するためには、相手の育った環境や親との関係を理解することはとても大切なことです。
パートナーを産み育てた親がどのような考えを持って、どのような環境で育てたのか、そうやって育ったパートナーが、あなたのどんな部分に共感をして、どんな共通の部分があって、二人が結婚する決心に至ったのかを整理することはとても大切です。
相手の両親の出身地や、共働き家庭だったのか、祖父母も同居で育ったのか?どんな家庭を理想としているのだろうか?
そんな風に、パートナーの育った環境を想像してみてください。育った環境や家族関係が、結婚観に大きく影響を及ぼしていることは間違いありません。
Mさんの夫は、いつも冷静で口数は少なく論理的に物事を考える反面、感情表現が苦手でMさんはいつも寂しさを感じています。
「夫は冷たい人、どうしたらもっと優しい言葉をかけてくれるのだろう?」とMさんは悩んでいます。でも、夫の性格はそうそう変わりませんよね。
Mさんの義両親は、地方から上京して、助けてくれる親戚のいない東京で、夫婦共働きで二人の子どもを育てました。その長男が、Mさんのご主人で、2歳年下の弟さんがいるそうです。
想像してみてください。
小さな弟が生まれたら、長男はその時点で母親から距離ができます。
両親共働きであれば、長男であるMさんの夫の面倒を見るのは、主に父親ということになります。
父親はMさんの夫をよく旅行に連れて行きました。
「泣くな」
「お兄ちゃんだから我慢しなさい」
「ちゃんとしなさい」
「ここで待っていなさい」
父親として、男として愛情あふれる子育てだったかもしれません。
でも、小さかったMさんの夫は、父親についてゆくために、時には涙を拭いたかもしれません。
どこかで寂しい思いと、我慢をたくさんしたかもしれません。
それは、大人になるために必要なプロセスだったとしても、無意識のうちに母親に甘えたかった感情表現を抑えて大人になった、という背景があるのですね。
夫の事情を想像したMさんは、
「だから夫は、こんな風に言うのか」
「それならしょうがないか」
と理解することができるようになりました。
その理解こそが歩み寄りでもあるわけです。
ただし、育った環境や価値観がまったく違う相手と結婚に至ることは、ほぼありません。
Mさん自身も、自分の生い立ちを振り返ってみると、
たくさん寂しい思いをし、
たくさん我慢をしてきたのです。
「その寂しさを、この人なら分かってくれると感じたからこそ結婚したような気がする」ともおっしゃっていました。
ポイント
相手は、あなたの鏡。きっと同じものを、あなたも抱えているから問題が起こっているはず。
もしも、あなたが寂しいと感じる時に、温めてくれるような夫だったら、そもそも夫婦関係は悪くなったりしないのです。
相手の問題は、そのままあなた自身の問題でもあるから、今、二人の関係が悪化しているのではないでしょうか?
あなたの寂しさを夫に分かって欲しいを願ったように、あなたが夫の寂しさの背景を理解して、イソップ童話の「北風と太陽」のお話のように、冷たい北風をぶつけ続けるのでなく、太陽となって夫を温めてみてはいかがでしょうか?
あなたのマリッジライフがずっとハッピーでありますように
ティダテラス 照子