夫婦問題カウンセラーの三枝照子です。
私がこの仕事をする一番の理由は、「小さい人たちが泣くのが嫌だ」ということ。
「夫婦喧嘩が絶えない…」「子供の前で言い争ってしまう…」そんな悩みを抱えていませんか?この記事では、夫婦喧嘩が子供に与える影響について、心理状態や行動の変化、長期的な影響などを詳しく解説します。喧嘩の種類によって異なる影響や、子供に見せてしまった時の対処法、夫婦喧嘩を減らすためのコミュニケーション術も紹介します。この記事を読むことで、夫婦喧嘩から子供を守る方法、そして家族円満の秘訣を見つけることができるでしょう。専門家の意見や相談窓口の情報も掲載しているので、一人で抱え込まず、ぜひ参考にしてみてください。
夫婦喧嘩は「毒」でしかありません
夫婦喧嘩は、誰しも経験することですが、その頻度や内容によっては、子供に深刻な影響を与える可能性があります。「夫婦喧嘩は犬も食わない」という言葉がありますが、それはあくまで大人の視点。子供にとって、親とは、自分の命を守ってくれる存在です。大好きな両親が言い争う姿は、大きな不安や恐怖を感じる出来事なのです。
私自身も、子供が小さい頃に、夫と大きな喧嘩をしたことがありました。その時、3人の子供のうち、下の二人は号泣。激しい夫婦喧嘩は、子供にとって恐怖なのです。一方、一番上の子は、「自分は泣いてはいけない」と必死に恐怖に耐えていたのだと思います。
喧嘩が多い家庭で育つ子供の心理状態
子供が夫婦喧嘩を目撃すると、「自分が何か悪いことをしたせいだ」と自分を責めてしまうことがあります。また、大好きな母親が傷つく姿を夢で見てしまうなど、不安を抱え込み、情緒不安定になってしまうことも。幼い頃は特に、自分の感情をうまく表現できないため、腹痛や夜泣きなどの身体症状として現れることもあります。
自己肯定感の低下
夫婦喧嘩が多い家庭で育つ子供は、自分は愛されていない、価値がない人間だと感じてしまうことがあります。その結果、自己肯定感が育ちにくく、自分に自信が持てないまま大人になってしまう可能性も。例えば、親から愛情を注がれずに育った子供は、「どうせ自分は愛されない」という思い込みから、人間関係を築くことを恐れたり、自分に自信を持てずに、チャレンジすることを諦めてしまったりする傾向があります。愛着形成の基礎となる幼児期に、夫婦喧嘩が多い家庭環境に置かれることで、子供は安定した愛着を形成することが難しくなり、それが自己肯定感の低さや、対人関係の困難さなど、後々の人生にまで影響を及ぼす可能性があるのです。
不安や恐怖心の増大
いつ、どこで夫婦喧嘩が始まるかわからないという状況は、子供にとって大きなストレスとなります。常に緊張状態に置かれることで、不安や恐怖心が強くなり、情緒不安定な状態に陥りやすくなります。例えば、子供が遊んでいる最中に突然夫婦喧嘩が始まってしまうと、子供は遊びに集中することができなくなり、常に親の顔色を伺うようになってしまうことがあります。このような状態が続くと、子供は安心できる場所を見つけることができず、常に不安や緊張を抱えたまま生活することになりかねません。
トラウマによる影響
特に激しい夫婦喧嘩を目撃してしまった場合、その時の恐怖体験がトラウマとなり、後の人生に悪影響を及ぼす可能性も否定できません。大人になってから人間関係がうまく築けなくなったり、フラッシュバックに悩まされたりするケースもあります。例えば、両親が物を投げ合ったり、暴力を振るったりする場面を目撃してしまうと、その時の恐怖がトラウマとなり、大人になってからも、些細なことで不安や恐怖を感じやすくなってしまうことがあります。また、このようなトラウマ体験は、PTSD(心的外傷後ストレス障害)を引き起こす可能性も指摘されており、専門家のサポートが必要となるケースもあります。
夫婦喧嘩が原因で起こる子供の行動の変化
夫婦喧嘩が多い家庭の子供は、そのストレスから様々な問題行動を起こすことがあります。攻撃的になったり、逆に引きこもりがちになったりと、その反応は様々です。また、年齢が低いほど、言葉でうまく表現できないため、夜泣きや指しゃぶりなど、赤ちゃん返りのような行動が見られることもあります。
攻撃性の増加
夫婦喧嘩によって心に不安やストレスを抱えた子供は、その矛先を周囲に向けることがあります。友達や兄弟に暴力を振るったり、物を壊したりといった攻撃的な行動が見られるようになることも。これは、子供が自分の不安やストレスをうまく言葉で表現することができず、行動で表してしまうために起こると考えられます。また、夫婦喧嘩を目撃することで、問題解決の方法として、暴力や攻撃が有効であると学んでしまう可能性も指摘されています。
引きこもりや無気力
夫婦喧嘩を避けるために、自分の部屋に閉じこもったり、学校に行きたがらなくなったりする子供もいます。また、何事にも興味を示さず、無気力な状態になってしまうことも。これは、夫婦喧嘩によって家庭環境が不安定になり、子供が安心できる場所を失ってしまうことが原因と考えられます。また、夫婦喧嘩が多い家庭では、子供とのコミュニケーションが不足しがちで、子供が自分の気持ちを聞いてもらえる機会が少ないことも、引きこもりや無気力につながると考えられます。
身体症状の出現
心身症という言葉があるように、心のストレスは身体症状として現れることがあります。腹痛、頭痛、吐き気などを訴える、あるいは、頻繁に風邪をひくなど、免疫力が低下している可能性も考えられます。これは、ストレスによって自律神経のバランスが崩れ、身体に様々な不調が現れるためです。また、子供は大人に比べて、ストレスに対する抵抗力が弱いため、身体症状として現れやすいと言われています。
家族の悪循環スパイラル
下の図を見てください。
父親と母親の仲が悪く、父親が母親を責めると、母親は子育ての不安などを相談できず、ワンオペ育児のために、子供への過剰な心配や、感情的に当たってしまったりすることがあります。子供は、父母の喧嘩を見ているため、母親が傷つけられるのではないかと心配して強く甘えるようになったり、母の機嫌を取ったり、場合によっては常に母の相談役(夫代わり)を担ってしまうことも。そんな子供を見て、父親は子を叱ったり、「お前の育て方が悪い」などと、母親を責めたりするようになると、悪循環のスパイラルを抜けることが難しくなってしまいます。
思春期・反抗期に見せる反応
それでも、幼少期、学童期までは、泣きながらでも親の言うことを聞き、家庭内での秩序が守られることでしょう。それは、力によって抑えられているだけです。
それが、思春期や反抗期を迎えると、今まで以上に夫婦喧嘩に対して敏感に反応するようになります。親に対して反抗的な態度を取ったり、非行に走ったりするケースも。また、自分自身も感情のコントロールが難しくなり、家庭内がさらに不安定な状態に陥ってしまう可能性もあります。
親への反抗
「もううるさい!」「ほっといて!」など、親の言葉に反発するようになることがあります。また、家庭での居心地が悪くなり、家出をしてしまうケースも考えられます。これは、思春期特有の自我の芽生えにより、親に対して反抗的な態度を取るようになるためです。また、夫婦喧嘩が多い家庭環境に嫌気がさし、家出という形で、現状から逃れようとする可能性もあります。
非行に走る
夫婦喧嘩が多い家庭環境から逃れるため、不良仲間とつるんだり、非行に走ってしまうケースもあります。万引きや暴力事件など、深刻な事態に発展する可能性も否定できません。これは、家庭に居場所がなく、寂しさや孤独感を抱えている子供が、仲間を求めて非行に走ってしまうケースが考えられます。また、夫婦喧嘩が多い家庭では、子供への指導や教育が行き届かず、子供が非行に走るのを止められない可能性もあります。
自傷行為
自分自身に向かう攻撃として、リストカットなどの自傷行為に及ぶこともあります。これは、自分の心の痛み、悲しみを自分で扱いきれず、苦しさを紛らわせるため、あるいは、助けを求めるためのSOSのサインである可能性もあります。自傷行為は、周囲への助けを求めるサインであると同時に、自分自身を傷つけることで、心の痛みを和らげようとする行為でもあります。夫婦喧嘩が多い家庭で育つ子供は、自分の気持ちを聞いてもらえず、孤独感を抱えていることが多いため、自傷行為によって、自分の存在をアピールしようとしている可能性もあります。「わたしなんかいなくても」そう思いつつ、心の奥底では「愛されること」を訴求しているのです。
長期的影響:大人になってから抱える問題ー世代間連鎖
子供の頃に夫婦喧嘩が多い環境で育つと、大人になってから対人関係や結婚生活で問題を抱えやすくなるという研究結果もあります。これは、幼少期の経験から、人間関係や愛情表現に対して歪んだ認識を持ってしまっていることが原因と考えられます。
対人関係の困難さ
幼少期に夫婦喧嘩が多い環境で育った人は、他人とのコミュニケーションに苦手意識を持つ傾向があります。また、相手との適切な距離感が分からず、人間関係をうまく築けないことも少なくありません。これは、幼少期に、親が互いに罵り合ったり、無視したりする場面を目にすることで、相手と建設的なコミュニケーションを取る方法を学ぶことができなかったことが原因として考えられます。また、夫婦喧嘩が多い家庭では、子供に対して、感情的に接することが多く、子供が自分の気持ちを素直に表現することが難しいため、対人関係においても、自分の気持ちをうまく伝えられなかったり、相手の気持ちを汲み取ることが苦手になってしまうことがあります。
結婚生活への影響ー世代間連鎖
「結婚の幸せ」のイメージは、育った家庭の中で育まれます。両親の不和の元で育った人の多くが、具体的な「幸せな家庭のイメージ」を十分に育てられないまま、自分が結婚したあとで、世代間連鎖をしてしまうことがあります。これが、私が最も心配するところです。
子供ができても、自分が経験したような家庭環境を作りたくないという思いから、子育てに過剰に不安を抱いたり、逆に無関心になってしまったりするケースも見られます。これは、夫婦喧嘩が日常茶飯事の家庭で育つと、それが「普通の夫婦のあり方」だと認識してしまい、自分たちも無意識のうちに、同じように夫婦喧嘩を繰り返してしまう可能性があります。また、子供の頃に夫婦喧嘩によって辛い思いをした人は、自分が親になった時に、子供に同じ思いをさせたくないという気持ちが強く、過剰に不安を抱いたり、逆に、自分と同じように苦しめることになるのではないかという恐怖心から、子育てに無関心になってしまうことがあります。
精神的な問題
うつ病や不安障害などの精神的な問題を抱えやすくなるという報告もあります。これは、幼少期の夫婦喧嘩によるストレスやトラウマが、大人になってからも影響を及ぼし続けているためと考えられます。 子供の頃の夫婦喧嘩の目撃は、大人になってから、対人関係の困難さや、結婚生活における問題など、様々な形で影響を及ぼす可能性があります。また、幼少期に受けた心の傷は、大人になっても完全に癒えることはなく、うつ病や不安障害などの精神的な問題を引き起こすリスクを高める可能性も指摘されています。
夫婦喧嘩は、単なる夫婦の問題ではなく、子供の成長に大きな影響を与える可能性があることを認識しておく必要があります。夫婦喧嘩を完全に無くすことは難しいかもしれませんが、子供への影響を最小限に抑えるための努力が大切です。
参考資料:
夫婦喧嘩の種類と影響の違い
夫婦喧嘩といっても、その内容や頻度、夫婦の関係性によって子供への影響は大きく異なります。ここでは、喧嘩の種類別にどのような影響があるのかを見ていきましょう。
子供の前でやってはいけない喧嘩
子供の前でやってはいけない喧嘩には、以下のようなものがあります。
喧嘩の種類 | 子供への影響 |
---|---|
人格否定 |
|
身体的暴力 |
|
無視 |
|
子供を巻き込む |
|
これらの喧嘩は、子供に大きな精神的ダメージを与え、成長に悪影響を及ぼす可能性があります。特に、幼い子供ほど影響を受けやすく、トラウマになってしまうこともあります。
例えば、「お前はダメなやつだ!」「なんでこんなこともできないんだ!」「親に向かって、その口の利き方は何だ!」といった人格を否定するような言葉は、子供の自己肯定感を大きく傷つけます。また、暴力を振るったり、物を投げつけたりする行為は、子供に恐怖心を植え付け、安全な場所であるはずの家庭を脅威の対象に変えてしまいます。
また、夫婦喧嘩に子供を巻き込むことも避けるべきです。例えば、「お父さんが悪いんだぞ!」「お母さんの味方になって!」などと子供に言ったり、子供の前でパートナーの悪口を言ったりすることは、子供を混乱させ、不安にさせるだけでなく、親への不信感にもつながります。
子供にとって安心材料になる折り合いのつけ方は?
感情的な夫婦喧嘩ではなく、冷静な話し合いによって問題解決ができる夫婦の関係性が、子供にとって安心材料になる場合もあります。
建設的な喧嘩
例えば、意見の対立があっても、お互いを尊重し、冷静に話し合って解決しようとする姿勢を見せることは、子供にとって良い影響を与えます。子供は、夫婦が問題を解決するために協力し合う姿を目にすることで、コミュニケーション能力や問題解決能力を学ぶことができます。
例えば、「家事の分担について、お互いに不満があるね。どうすれば解決できるか、一緒に考えてみようか。」といったように、冷静に話し合いを進める姿勢を見せることが重要です。また、「あなたの意見もわかるよ。私も自分の意見を聞いてほしい。」といったように、お互いの意見を尊重する姿勢を示すことが大切です。
仲直りの姿を見せる
また、喧嘩の後には、必ず仲直りをし、愛情表現をすることも大切です。子供は、夫婦が喧嘩をしても仲直りできること、お互いを大切に思っていることを確認することで、安心感を得ることができます。
例えば、喧嘩の原因が解決したら、笑顔でハグをしたり、「ごめんね」「ありがとう」と静に話し合う姿勢を貫くことが重要です。感情的に怒鳴り合ったり、暴言を吐いたりするような喧嘩は、子供に不安感を与えるだけであり、避けるべきです。
参考資料:
夫婦喧嘩を子供に見せてしまった時の対処法
夫婦喧嘩は、できる限り子供に見せないことが理想です。しかし、ふとした瞬間に感情的になってしまったり、 議論がエスカレートしてしまったりするなど、 どうしても子供の前で喧嘩をしてしまうこともあるでしょう。
大切なのは、喧嘩を見せてしまった後、どのようにフォローするかです。子供の不安を取り除き、安心感を与えるために、親としてできることを考えましょう。
喧嘩の後で子供に伝えるべきこと
夫婦喧嘩を子供に見せてしまったら、まず、子供に謝ってください。
動揺している子供に対して、まず落ち着いて話しかけましょう。「さっきは大きな声を出してしまって怖かったよね。ごめんね。」と、子供の気持ちを代弁し、 謝罪の気持ちを伝えることが大切です。その上で、以下の点を伝えるように心がけましょう。
ポイント | 説明 |
---|---|
喧嘩の原因は子供にはないこと | 「あなたのせいではない」と明確に伝えることで、子供が自分を責める気持ちを和らげることができます。子供が「自分が悪い子だからパパとママは喧嘩したんだ」と誤解してしまうケースは少なくありません。子供の年齢が低い場合は特に、言葉の裏側にある意味を汲み取ることが難しいでしょう。そのため、どんなに些細なことでも、喧嘩の原因が子供にはないことをしっかりと伝えることが重要です。 |
夫婦喧嘩は仲が悪いからではないこと | 意見がぶつかることはあっても、お互いに愛し合っていることを伝えましょう。喧嘩=悪ではないことを理解させることが重要です。夫婦喧嘩を繰り返していると、子供は「パパとママはいつも喧嘩している」「もう愛し合っていないのではないか」と不安を抱くことがあります。喧嘩をするのは、意見が異なることがあっても、お互いを尊重し合っているからこそであると伝えましょう。「パパとママは違う考えを持っているけど、あなたのことは二人とも大好きよ」と伝えることで、子供は安心感を覚えるでしょう。 |
仲直りしたことを伝えること | 喧嘩の後、仲直りした姿を見せることで、子供に安心感を与えることができます。「パパとママは仲良しだよ」と伝えることも効果的です。子供は、夫婦喧嘩を通して、感情の起伏や、その後の関係修復を目の当たりにします。喧嘩の後、仲直りする姿を見せることで、子供は「意見が違っても、仲直りできるんだ」ということを学び、安心感を得ることができるでしょう。スキンシップを交えながら「さっきはごめんね。もう仲直りしたよ」と伝えることで、子供に安心感を与えましょう。 |
喧嘩の内容によっては、子供が誤解している場合もあるかもしれません。例えば、お金のことで喧嘩をしていた場合、「家が貧しいからいけないことをした」と子供が自分を責めてしまう可能性もあります。子供の年齢や理解度に合わせて、喧嘩の内容をきちんと説明し、誤解を解くことも大切です。
子供の不安を取り除くフォローの方法
言葉で伝えるだけでなく、スキンシップを通して子供の不安を取り除くことも大切です。ぎゅっと抱きしめたり、頭を撫でたりするなど、愛情表現を積極的に行いましょう。
また、子供が好きな遊びを一緒にしたり、おやつを作ったりするなど、楽しい時間を共有することで、安心感を与えることができます。喧嘩の後、いつもと変わらない態度で接することが重要です。
年齢別:子供の反応と対応例
年齢によって、夫婦喧嘩に対する子供の反応は異なります。年齢に合わせた対応をすることが重要です。
年齢 | 子供の反応 | 対応例 |
---|---|---|
幼児期(0~6歳頃) |
|
|
小学校低学年(6~9歳頃) |
|
|
小学校高学年(9~12歳頃) |
|
|
上記はあくまでも一例です。子供の性格や置かれている状況によって、対応は異なってきます。大切なのは、子供の気持ちを理解しようと努め、寄り添う姿勢を持つことです。
夫婦で協力して子供のケアを
夫婦喧嘩の後、どちらか一方だけが子供のケアをするのではなく、夫婦で協力して子供の不安を取り除くことが大切です。どちらかが謝ったら、もう一方も「そうだね、ごめんね」と伝えるなど、協力して子供に接するようにしましょう。
また、夫婦喧嘩をきっかけに、改めて家族のルールやコミュニケーションについて話し合うことも大切です。例えば、「喧嘩は子供の前ではしない」「意見が合わない時は、お互いの気持ちを尊重して話す」など、具体的なルールを決めると良いでしょう。
夫婦喧嘩は、子供にとって決して良いものではありません。しかし、喧嘩を通して、子供は感情のコントロールや問題解決の方法を学ぶこともあります。夫婦で協力し、子供にとってより良い環境を作っていきましょう。
もし、夫婦喧嘩が頻繁に起こり、子供への影響が心配な場合は、一人で抱え込まず、専門家に相談することも考えてみましょう。厚生労働省のホームページでは、子育て相談窓口の情報が掲載されています。また、市区町村の窓口や電話相談なども活用してみましょう。
夫婦喧嘩を予防するためにできること
夫婦喧嘩を完全にゼロにすることは難しいかもしれませんが、頻度を減らすためにできることや、感情的なぶつかり合いを避ける方法はたくさんあります。このブログでも詳しい記事を下記に書いています。
喧嘩になりそうな状況を把握し、未然に防ぐ努力を心がけましょう。
日頃からコミュニケーションを大切にする
夫婦喧嘩は、お互いの気持ちを伝え合えていないことが原因で起こることが少なくありません。日頃からコミュニケーションを大切にし、相手の気持ちを理解しようと努めることが大切です。例えば、「おはよう」「おかえりなさい」「お疲れ様」といった簡単な言葉をかけるだけでも、相手への思いやりを伝えることができます。また、「今日はどんなことがあった?」「週末は何して過ごす?」など、日常的な会話を通して、お互いの考えや気持ちを共有する習慣をつけましょう。
感謝の気持ちを伝える
夫婦は、家族のために協力し合うのが当たり前になりがちです。しかし、感謝の気持ちを忘れてしまうと、相手への不満が募り、喧嘩に発展しやすくなります。「いつもありがとう」「助かるよ」など、感謝の気持ちを言葉で伝えることを習慣化しましょう。感謝の気持ちを伝えることで、相手もまた、あなたへの感謝の気持ちを持つようになり、良好な関係を築くことができます。
自分の気持ちを伝えるときは「Iメッセージ」を使う
自分の気持ちを伝えるときは、「あなたはいつも~する」といった、相手を責めるような「Youメッセージ」ではなく、「私は~と感じている」といったように、自分の気持ちを伝える「Iメッセージ」を使うように心がけましょう。「Youメッセージ」は、相手を攻撃していると受け取られやすく、反発を生み出す可能性があります。一方、「Iメッセージ」は、自分の気持ちを率直に伝えることで、相手もあなたの気持ちを理解しやすくなるでしょう。
疲れているときは無理をしない
疲れているときは、些細なことでイライラしやすく、喧嘩に発展しやすくなります。疲れているときは、無理をせず、「私は休んでいいんだ」という許可を自分に出してください。また、パートナーが疲れているときは、「今日はゆっくり休もう」「何か手伝おうか?」と声を掛け合うなど、思いやりの気持ちを持つことが大切です。そして、最も大切なことは、お互いに疲れているなら「自分たちでやらなくてもよい事」については、お金を使ってでも家事サービスなどを上手に利用して、お金よりも家族のご機嫌を優先することだと、私は思います。
問題を先延ばしにしない
小さな問題でも、解決せずに放置しておくと、後々大きな喧嘩に発展する可能性があります。問題が発生したら、その都度話し合い、解決策を見つけるようにしましょう。話し合う際には、感情的にならず、冷静に、お互いの意見を尊重しながら行うことが大切です。解決が難しい問題は、信頼できる第三者に相談してみるのも良いでしょう。
ちなみに、夫婦の問題を実家の親に相談することはオススメしません。理由はこちらの記事に。
夫婦喧嘩は、子供に悪影響を与えるだけでなく、夫婦関係にも大きなダメージを与えます。夫婦喧嘩を減らすために、日頃からコミュニケーションを大切にし、お互いを思いやる気持ちを忘れずに過ごしましょう。
夫婦喧嘩を減らすためのコミュニケーション術
夫婦喧嘩を減らすために具体的な方法を3つのポイントに絞って解説していきます。
1. お互いの気持ちを尊重する
夫婦喧嘩が起こる原因の多くは、お互いの感じ方の違いや、状況の捉え方の違いにあります。つい自分の意見を主張してしまいがちですが、まずは相手の気持ちを理解しようと努めることが大切です。「相手に6を渡し、自分が4を取る」6:4の法則を忘れないでください。夫婦関係を円満に保つために効果的な3つの方法を紹介します。
相手の立場になって考える
頭ごなしに自分の意見を主張するのではなく、相手の立場になって物事を考えてみましょう。「どうしてそう思ったのか」「どんな気持ちだったのか」を想像することで、相手の行動の背景を理解できることがあります。例えば、夫が家事を手伝ってくれないことに不満を感じているとします。しかし、夫は仕事で疲れているのかもしれませんし、家事のやり方がわからないために遠慮しているのかもしれません。このように、相手の立場に立って考えることで、共感できる部分が見えてくるはずです。共感する姿勢を持つことは、夫婦間の相互理解を深める上で非常に大切です。
「Iメッセージ」で伝える
自分の気持ちを伝えるときは、「あなたはいつも~する」といった、相手を責めるような「Youメッセージ」ではなく、「私は~と感じた」というように、自分の気持ちを主語にして伝える「Iメッセージ」を使うように心がけましょう。「Youメッセージ」は相手を攻撃していると受け取られやすく、反発を招きやすいため、喧嘩に発展しやすくなってしまいます。例えば、「あなたはいつも食器を洗ってくれない」ではなく、「あなたが食器を洗ってくれないと、私は悲しい気持ちになる」と伝えることで、相手を責めることなく、自分の気持ちを伝えることができます。「Iメッセージ」は、相手を責めることなく、自分の気持ちを率直に伝えられるため、相手も受け入れやすくなります。また、「Iメッセージ」を使うことで、自分の気持ちを客観的に見つめ直すことができるというメリットもあります。
肯定的な言葉をかける
夫婦といえども、感謝の気持ちや褒め言葉を伝えることは大切です。「ありがとう」「助かったよ」といった言葉をかけることで、相手は自分の存在を認められていると感じ、自己肯定感が高まります。また、「いつも頑張っているね」「すごいね」といった褒め言葉は、相手のモチベーションアップに繋がり、夫婦関係を良好に保つために効果的です。日本心理学会が発表した研究によると、夫婦間で感謝の気持ちを伝え合う頻度が高いほど、夫婦関係の満足度が高いという結果が出ています。また、褒め言葉は、相手の行動を強化する効果があります。例えば、夫が家事を手伝ってくれたときに、「ありがとう、助かったよ」と伝えることで、夫は「家事を手伝うと妻は喜んでくれるんだ」と感じ、次回も手伝ってくれる可能性が高まります。このように、肯定的な言葉をかけることは、夫婦関係を良好に保つ上で非常に重要です。
伝え方を工夫する
夫婦間のコミュニケーションにおいて、伝え方は非常に重要です。同じ内容を伝える場合でも、伝え方によって相手の受け取り方は大きく変わります。ここでは、相手に自分の気持ちを正しく伝え、誤解や衝突を避けるための具体的な方法を3つ紹介します。
タイミングを見計らう
疲れている時やイライラの感情が強い時は、冷静に話し合いができない可能性があります。話し合いは、お互いに落ち着いていられる時間帯を選びましょう。
例えば、寝る前や食事中は避けた方が無難です。冷静に話し合いができるように、時間や場所を意識することが大切です。寝る前は、一日の疲れが溜まっていることが多く、また、翌日に備えて睡眠をしっかりとらなければならないため、話し合いには適していません。食事中は、食事を楽しむことに集中すべきであり、話し合いを持ちかけることで雰囲気が悪くなってしまう可能性があります。
話し合いをするのに最適なタイミングは、夫婦によって異なりますが、休日、人目のあるカフェなどで話すことをオススメします。
具体的な例を挙げる
抽象的な言い方ではなく、具体的な例を挙げて話すようにしましょう。例えば、「いつも家事を手伝ってくれない」と言うのではなく、「昨日の夕食後、食器洗いを頼んだのに、何も言わずにテレビを見ていたのが悲しかった」のように、具体的な状況や自分の気持ちを伝えることで、相手はあなたの真意を理解しやすくなります。抽象的な言い方では、相手は何に対して怒っているのか、悲しんでいるのかを理解することができません。具体的な状況や言動、そしてそれによって自分がどのように感じたのかを伝えることで、相手は初めてあなたの気持ちを理解し、共感することができます。
非難する言葉は避ける
「どうして~しないの?」「だからあなたはダメなんだ」「何回言っても、あなたは変わらない」といった、相手を責めるような言葉は避けましょう。これらの言葉は、相手を傷つけ、自己防衛本能を刺激するため、反発を招きやすくなります。他人に批判されて、自分の行動を治したいと思う人はいません。まして、夫婦であれば、話し合いが平行線をたどってしまったり、「あの時もあなたは」と過去を拾い出し、喧嘩に発展してしまう可能性が高まります。
相手を尊重し、穏やかに伝えることを心がけましょう。例えば、「なんで食器を洗ってくれないの?」と言うのではなく、「食器洗いを手伝ってくれると嬉しいな」と伝えることで、相手を責めることなく、自分の要望を伝えることができます。また、「あなたはいつも~」といった決めつけの言葉も避け、「今回は~だったけど…」のように、特定の状況に限定して伝えるように心がけましょう。
こちらの記事も参考になるでしょう。
問題解決に向けて協力する
夫婦喧嘩を減らすためには、問題を先送りしたり、どちらか一方だけが我慢するのではなく、夫婦で協力して解決していくことが重要です。ここでは、夫婦で協力して問題解決に取り組むための方法を3つ解説します。
共通の目標を持つ
夫婦で協力して問題解決にあたるためには、共通の目標を持つことが大切です。例えば、「子供のために穏やかな家庭環境を作りたい」「お互いにストレスをためずに生活したい」など、共通の目標を明確にすることで、協力体制を築きやすくなります。目標を共有することで、どちらか一方だけが我慢するのではなく、共に解決策を見つけようという意識が生まれます。目標設定は、具体的であるほど効果的です。「穏やかな家庭環境」とは具体的にどのような状態なのか、「ストレスをためない生活」を送るためには何をするべきなのか、などを夫婦で話し合い、共通認識を持つように心がけましょう。
役割分担を見直す
家事や育児の負担が偏っている場合は、役割分担を見直してみましょう。夫婦で話し合い、お互いが納得できるような分担を決めましょう。可視化シートやアプリなどを活用するのも有効です。役割分担を見直すことで、お互いの負担を減らし、不満を軽減することに繋がります。家事や育児の分担は、夫婦によって最適な形が異なります。どちらか一方に負担が偏っていると感じている場合は、家事の内容や時間などを細かく書き出し、それぞれの担当を決めていくと良いのですが、相手に任せたことについては、手出し口出し厳禁です。やらないことを責めるのではなく、やってくれたことに感謝する気持ちで、緩やかな家事分担をしましょう。下記の記事も参考になります。
冷静に話し合うためのルールを決める
感情的になりやすい場合は、冷静に話し合いができるように、事前にルールを決めておくのも有効です。例えば、「人格否定をしない」「途中で話を遮らない」「10分以上議論が続いたら休憩する」など、具体的なルールを設けることで、冷静さを保ちやすくなります。また、第三者に意見を聞くのも有効です。信頼できる友人や家族、専門家に相談することで、客観的な視点を取り入れることができます。夫婦で冷静に話し合い、お互いが納得できるルールを設定することが重要です。ルールは、紙に書き出したり、スマホのメモ機能に記録したりしておくと、いつでも確認することができます。また、第三者に意見を聞く場合は、信頼できる人を選び、感情的にならずに冷静に相談するように心がけましょう。
夫婦喧嘩は、回数や内容によっては、子供に悪影響を及ぼす可能性があります。夫婦関係を見直し、コミュニケーションを改善することで、喧嘩を減らし、より良い家庭環境を築きましょう。問題が深刻な場合は、専門家の力を借りることも検討してください。下記に、相談できる窓口をまとめたので、参考にしてみてください。
相談窓口 | 電話番号 | 時間帯 | 備考 |
---|---|---|---|
厚労省 電話相談窓口 | 24時間対応 | 詳細はこちら | |
いのちの電話 | 0570-783-556 | 24時間対応 | 詳細はこちら |
TELL(外国人向け相談窓口) | 03-5774-0992 | 月~金 9:00~21:00 土 9:00~17:00 |
英語対応可 詳細はこちら |
専門家の意見を参考に
夫婦喧嘩と子供への影響について、専門家の意見を参考に、より深く理解を深めましょう。専門家の知見は、問題解決の糸口を与え、家族が笑顔で過ごすためのヒントを与えてくれます。
子育て相談窓口の活用
地域の子育て支援センターや保健センターなどで、専門の相談員に相談することができます。電話相談や面談など、相談方法は窓口によって異なります。秘密は厳守されますので、一人で抱え込まずに相談してみましょう。
主な相談窓口
相談窓口 | 電話番号 | 相談時間 |
---|---|---|
よりそいホットライン | 0120-279-338 | 24時間対応 |
子どもの虐待防止ダイヤル | 189(いちはやく) | 24時間対応 |
夫婦喧嘩は、夫婦の関係を見直し、より良い関係を築くための機会と捉えることもできます。専門家の意見を参考に、夫婦でコミュニケーションについて学び、共に成長していくことが大切です。
まとめ
夫婦喧嘩は、子供の年齢や喧嘩の内容、頻度によって影響が異なります。子供の前での激しい喧嘩や暴言は、子供の心に深い傷を残し、成長や発達に悪影響を与える可能性があります。
夫婦喧嘩をしてしまったら、子供の不安を取り除くフォローを心がけましょう。喧嘩の内容によっては、子供にきちんと説明することも大切です。また、夫婦で協力し、喧嘩を減らす努力も必要です。
子育てに関する悩みは、一人で抱え込まず、専門家や相談窓口に頼ることも考えてみましょう。公的な機関である「子育て世代包括支援センター」や、民間団体である「子どもの虹情報研修センター」などが相談窓口として挙げられます。
今日もあなたにとってハッピーなマリッジライフが続きますように!