坂本龍一さんの訃報に、矢野顕子さんが出したコメントが心に響きました。
「Dearest Ryuichi, Would you like to play piano four hands together again?I miss you very much.」
「龍一さん、もう一度、ピアノの連弾をしませんか?あなたがいなくなってとてもさみしいです」
"Dearest"と始まっている、この矢野さんの言葉には、かつて一緒に過ごした二人の時間、子どもを育てた時間、坂本さんに愛人ができて苦しんだ時間、新しい人生を選んだその後、全てをくるんだ矢野さんのまなざしを、感じます。
矢野さんは、坂本龍一さんが54歳の時に熟年離婚していますが、
遠くにいても坂本さんの存在を感じつづけていた、そんな二人の関係こそ、人としてベストパートナーだったのかもしれません。
「結婚」という制度
「婚姻制度」という法律に護られた関係が結婚。
日本の法律で言う「婚姻」とは男女であること。同居すること。社会から認められた制度のうちで性行為を行い、子どもを設けて育てることができる制度。子どもを育てる義務と責任があること。
大切なセーフティーネットではあるけれど、場所が変われば制度も違います。
イスラム圏では一夫多妻の国も多くありますし、
ブータンやネパールなどの一部では一妻多夫の場所もあると言います。(個人的には、これが一番、平和なんじゃないか?と思いますが^^)
日本でも、同性婚を認めるかどうか、という議論が起こっていますね。
誰かを愛したいという人間としての訴求は、「婚姻制度」を超えたとろこにあるわけです。私たちはこの事実に目をそらして、「結婚とはこうあるべき」という呪縛の中で、性行為を行い家庭を築いていることもまた現代社会なのです。
熟年になってからの愛
子を産み育て、命を守る環境として、婚姻制度によって護られることはとても大切ですし、社会秩序を守る方法でもあります。
やがて、子育て期を終えて、「母親」という役割から「一人の人」に戻った時、「父親」という役割から「一人の人」に戻った時
あなたの大切な人は誰でしょう?
矢野顕子さんは、愛人との間に子を設けた坂本さんを憎んだかもしれません。苦しんだに違いありません。
苦しみ抜いた上で、ご自身のお子さんを守るために離婚をして新しい人生を歩んだ、
坂本さんとは別の道を歩いた。
それでもなお時を経て、「結婚」という制度を超えて、Dearest Ryuichiというコメントをなさった、大きな深い思いに感動しました。
ポイント
愛の形は、「結婚制度」にしばられるものではない
熟年になったなら、「離婚」を急ぐ必要はありません。
熟年夫婦の在り方は、「離婚」or「婚姻関係」の二択だけではないはずです。
結論を焦らず、じっくりとご自身の心を感じて、二人のスタイルを考えることが必要です。
人と違っていいのです。社会の制度と違っていいのです。せっかく熟年なのですから。
あなたのマリッジライフがずっとハッピーでありますように。
ティダテラス 照子