夫婦問題カウンセラーの三枝照子です。
ワンオペ育児に疲れ果てているママ必見!夫の協力を上手に引き出すことで、育児の負担を軽減し、ママも家族も笑顔になれる5つの方法をご紹介します。
ワンオペ育児の現状と問題点を理解し、夫婦のコミュニケーションを改善することから始めましょう。夫の家事参加を促す工夫や、育児における夫の役割を明確にすることで、協力体制を築くことができます。さらに、外部の支援を活用し、ママ自身のストレス管理にも気を配ることで、より充実した育児生活を送ることができるでしょう。この記事を読めば、ワンオペ育児から脱却し、夫婦で協力し合える育児スタイルを手に入れることができます。

ワンオペ育児を脱出しよう!
はじめに
近年、共働き世帯の増加や核家族化に伴い、育児の多くを母親が一人で担う「ワンオペ育児」が社会問題となっています。私の相談室にいらっしゃる方の離婚理由の第一位が「ワンオペ育児」からのストレスです。
厚生労働省の調査によると、女性の育児休業取得率は80%を超えていますが、男性の取得率は10%以下。ワンオペ育児の背景には、夫の家事・育児参加の少なさがあります。実際に、令和3年度の総務省の調査では、夫の家事・育児時間は2001年の48分より増えているとは言え、2021年の調査では1日平均1時間54分であるのに対し、妻は7時間28分と大きな差が見られます。
20年の間に、女性の社会進出が進み、社会的責任が増しているにも関わらず、家事育児の負担がほとんど軽減されていない社会的な状況は、少子化の歯止めをかけることができない危機的な状況と言えるでしょう。
内閣府の令和5年版壇上共同参画白書によれば、女性は家事・育児時間を減らしたいと思い、男性は家事・育児時間を増やしたいと思う傾向が、若い世代に広がってきているという結果ですが、スウェーデン(3時間21分)ドイツ(3時間)の半分以下の時間にとどまっています。
これからは社会と男性の意識が変容してゆくことが期待されますが、
身近にできることとして、夫の協力を得るために、コミュニケーションの改善や家事分担の工夫も大切です。本記事では、ワンオペ育児に悩むママのために、夫の家事分担を上手に引き出す5つの方法をご紹介します。
ワンオペ育児とは
ワンオペ育児の定義
ワンオペ育児とは、育児の大部分を一人で担う状況を指します。主に、夫婦のうち一方(多くの場合は母親)が、子育てに関する様々なタスクをほぼ独力で行うことを意味します。これには、以下のような育児や家事が含まれます。
- 授乳や離乳食の準備
- おむつ交換や着替え
- 子供の送り迎えや習い事の付き添い
- 掃除、洗濯、料理などの家事全般
ワンオペ育児の特徴としては、以下のようなものがあります。
- 休息や自分の時間を十分に取ることが難しい
- 孤独感や疲労感を感じやすい
- 夫婦間のコミュニケーション不足につながる可能性がある
- 育児ストレスが高くなりやすい
ワンオペ育児は、夫の帰宅時間や育休取得状況にもよりますが、家庭内での役割分担の偏りや、夫婦間のコミュニケーション不足などが原因で起っている部分については、お互いの努力によって軽減することが大切です。
ワンオペ育児の現状と問題点
(株)ベネッセコーポレーションの「第6回幼児の生活アンケート」によると、「子育ても大事だが自分の生き方も大切にしたい」という母親の意識が上昇している反面、祖父母や知人などからのサポートが減少しているという現実が浮き彫りになっています。核家族化が進む中で、6歳未満の子供を持つ母親の約7割が、育児に関する悩みや不安を抱えていることが明らかで、子どもがわずらわしくてイライラしてしまうことや、子供のことでどうしたらいいか分からなくなってしまうなど、女性が追い詰められている場合もあります。女性のメンタル面でも物理的にも、夫の役割は「お金を稼ぐこと」だけではないことが明らかです。
ワンオペ育児の具体的な問題点としては、以下のようなものがあげられます。
問題点 | 詳細と具体例 |
---|---|
母親の心身の健康への影響 | 慢性的な疲労やストレスにより、うつ病などのメンタルヘルス不調につながるリスクが高い。 例:産後うつ、育児ノイローゼなど |
子供への影響 | 子育てのために自分ばかり我慢していると感じる不公平感から、イライラして子供に当たってしまう |
1.夫婦間のコミュニケーションを改善する
ワンオペ育児に疲れたママが夫の家事分担を上手に引き出すためには、まず夫婦間のコミュニケーションを改善することが重要です。以下の3つのポイントを意識して、夫婦の絆を深めましょう。
1-1. 夫婦の会話時間を増やす
育児に追われる毎日では、なかなか夫婦でゆっくり話す時間が取れないものです。しかし、様々な調査に現れる夫婦の幸福度と会話時間の関係は、会話時間が多ければ円満、少なければ不和につながる、という正比例なのです。
疲れているから、ネタがないから、と夫婦の会話を避けていると、夫婦の幸福度は下がっていきます。
会話時間を増やすための工夫
- 平日の夜は軽く仕事や育児の話をして、理解を深める
- 食事の時間は、テレビを消して会話を楽しむ
- 平日、子供が寝た後に「大切な話」を切り出すことは、お互いに感情的になりやすく喧嘩に発展することもあるので、避ける
- 「大切な話」がある場合には、祖父母などに子どもを預けて、夫婦でカフェなどに行き、人目のある場所で冷静に話す
- 定期的に夫婦で、子どものこと以外の、自分たちの仕事や人生設計などについて語り合う機会を設ける
1-2. お互いの気持ちを伝え合う
育児や家事に関する不満や要望を、我慢せずに伝え合うことが大切です。毎日の生活の中で感じたことを、率直に話し合いましょう。
気持ちを伝え合うためのポイント
- 「〇〇をしてほしい」と具体的に伝える
- 相手に頼んだことには口を出さない
- 「〇〇をしてくれてありがとう」と感謝の気持ちを示す
- 夫婦で育児や家事の目標を決め、一緒に取り組む
- 相手の気持ちを受け止め、共感する姿勢を持つ
自分の気持ちを伝える効果的な方法
夫の気持ちを受け止めつつ、妻である自分の感情も率直に伝えましょう。
同じことを伝えるのでも、伝え方によって、相手の反応は大きく違います。
「なんであなたは片付けしてくれないの!?」というYouメッセージではなく、
「あなたを責めているのではなく、私はこう感じている」と、アイ(I)メッセージを使って伝えることが効果的です。
「あなたが今片付けてくれると、私は嬉しいんだけどな」というIメッセージ
Iメッセージの使い方を参考に、自分の気持ちを正直に、かつ相手を攻撃せずに表現する練習をしてみてください。
2.夫の家事参加を促す工夫
ワンオペ育児に疲れているママにとって、夫の家事分担は切実な問題です。しかし、夫に家事を任せることに抵抗を感じるママも少なくありません。ここでは、夫の家事参加を促すための具体的な方法を5つ紹介します。
2-1. 夫の得意分野を見つける
夫の家事参加を促すには、まず夫の得意分野を見つけることが重要です。料理が得意な夫もいれば、掃除が得意な夫もいるでしょう。夫の長所を活かすことで、家事への積極的な参加を引き出すことができます。
例えば、料理が得意な夫には、週に1〜2回は夕食を任せてみるのも一案です。夫が家事に参加することで、妻の家事負担が軽減されるだけでなく、夫婦の会話も増えるでしょう。後片付けなど、多少の不満があったとしても、夫に伝えるべきことは「ありがとう」の感謝ですよ。
夫の得意分野を活かした家事分担の例
夫の得意がわかったら、以下のどれか1つでも任せると、妻の気持ちが楽になります。
ポイントとしては、相手に任せたことには手も口も出さないこと。最初はうまくできなくても、だんだんと上達し、やがてはプロ並みの腕前を発揮することになりますよ!
- 料理が得意な夫には、週に1〜2回夕食を任せる
- 洗濯が得意な夫には、週末に家族の洗濯物をまとめて洗ってもらう
- 掃除が得意な夫には、定期的な大掃除を担当してもらう
2-2. 夫の家事参加を褒める
夫が家事に参加したら、必ず褒めることを忘れないようにしましょう。家事を手伝ってくれた夫に対して、「ありがとう」と感謝の言葉を伝えることで、夫は自分の家事参加が認められていると実感できます。
家事の中で夫が頼りにされていることを実感できることが、夫婦の関係をよくします。
夫の家事参加を褒めるためのポイント
- 具体的に褒める(「お皿がピカピカになってすごいね!」など)
- 子供の前で褒める(子供に良いお手本になる)
- 夫の家族や友人に褒める(夫の自尊心がさらに高まる)
2-3. 家事分担表を作成する
夫婦で話し合って、家事分担表を作成するのも効果的です。以下の記事に、夫の家事参加のための具体的な方法を書いています。ポイントは、掃除をするタイミングも方法も全て、相手に任せきることです。
3.育児における夫の役割を明確にする
ワンオペ育児に悩むママにとって、夫の協力は不可欠です。夫婦で育児における役割分担を明確にし、お互いの理解を深めることが重要です。以下に、夫の育児参加を促進するための具体的な方法を紹介します。
3-1.夫婦で育児について話し合う
まずは、夫婦で育児に関する話し合いを持ちましょう。お互いの考えや期待を伝え合い、役割分担を決めていきます。話し合いの際は、以下の点に注意してください。
- お互いの意見を尊重し合う
- 具体的な行動を決める(例:夫が平日の夜の育児を担当する)
- 決めた内容を文書化し、共有する
参考リンク:イクメンプロジェクト(厚生労働省)
3-2.夫に子供との時間を作ってもらう
NHK『チコちゃんに叱られる』で紹介された「我が子と一緒に過ごせる時間」では、母親7年6ヶ月、父親はなんと3年4ヶ月でした!想像以上に短いですね。子どもが小さなうちは、大変なことばかりと思うかもしれませんが、それはほんの一時のこと。大変さにフォーカスするよりも、小さくて可愛い時期を満喫するべきです。その時期に作られた親子の絆が、その後の反抗期や思春期など子どもの成長を見守る親としての苗床に育っていきます。
また、夫に子供との時間を積極的に作ってもらうことで、夫と子供の絆を深め、妻が感じている「家事育児の負担」を軽減したり、妻が自由な時間を過ごすことでストレスを解消することができます。例えば、以下のような取り組みを試してみてください。
- 夫が子供と一緒に遊ぶ時間を設ける
- 夫が子供を寝かしつける
- 夫と子供で週末に外出する(ドライブ、キャンプなど)
- 妻が友人や、実家の親と旅行に行く
参考:こども学びラボ
3-3. 夫の育児スキルを向上させる
夫の育児スキルを向上させることで、夫が自信を持って育児に参加できるようになります。以下のような方法で、夫の育児スキルを向上させましょう。
育児書や雑誌を読んでもらう
夫に育児書や雑誌を読んでもらい、育児に関する知識を深めてもらいます。おすすめの育児書や雑誌を紹介し、一緒に読むのも効果的です。
おすすめの本
育児教室や講座に参加してもらう
地域の子育て支援センターや病院などで開催される育児教室や講座に、夫に参加してもらいます。実際に体験することで、育児のコツをつかむことができます。地域の児童館、図書館などでも、親子向けのイベントが定期的に開催されていますので、ぜひ、お父さんに参加してもらいたいですね。
ママが夫に育児のコツを教える
ママが日頃から行っている育児のコツを、夫に教えてあげましょう。オムツの替え方や、ミルクの作り方など、育児日記を夫婦で共有すると効果的です。また保育園などでは、家庭と保育園との連絡帳を書いている場合が多いと思います。保育園との連絡帳を夫に書いてもらう、というのも、夫婦のコミュニケーションを増やし、育児の状況を伝えるために良い方法です。
4.外部の支援を活用する
ワンオペ育児に疲れたママにとって、外部の支援を活用することは重要です。育児サービスの利用、家族や友人に助けを求めること、地域のコミュニティに参加することで、育児の負担を軽減することができます。特に、子育ての経験があり、信頼できる人々からのサポートは、ママの心身の健康維持に大きく役立ちます。
4-1.育児サービスの利用
育児サービスを利用することで、ママの負担を減らすことができます。例えば、次のようなサービスがあります。
- 各市町村の一時預かり保育:地域の子育てサポートセンターなどを介して、数時間から数日間、子供を預けることができるサービスです。保育園などの一時預かりサービスを斡旋してくれることもあります。急な用事や体調不良時に利用できます。(例:杉並区一時預かり保育)
- ファミリー・サポート・センター:地域の中で子育ての援助を行うことを目的としたボランティア組織。預かりや送迎などのサポートを受けられます。
- ベビーシッター:自宅で子供を預かってくれるサービス。保育士や看護師などの有資格者が多く、安心して利用できます。
これらのサービスを上手に活用することで、ママが自分の時間を確保したり、リフレッシュしたりすることができます。また、子供が他者と関わる機会を持つことで、社会性の発達にも良い影響を与えます。
4-2.家族や友人に助けを求める
先に挙げたベネッセコーポレーションの調査では、核家族化が進み、友人などに子どもを預かってもらうという関係性が減っていることが指摘されています。けれども、「困った時はお互い様」というご近所さんとの関係性を作り、頼れる人間関係を作っておくことは大切ですね。ママ友だったり、子育てが終わって夫婦で暮らしているご近所さんなど、あなたがオープンマインドで居れば、きっと助けてくれる人がいるはずです。
仕事から帰って夕食の準備をする短い時間、上の子を保育園に迎えに行く間に下の子を見ていてほしい、など
ほんの短時間から、ご近所を頼ってみてはいかがでしょうか?それは意外にも、相手の方にとって「迷惑」ではなく、「役に立てて嬉しい」ことかもしれません。助けてもらったら、あなたもきっと、小さなお礼をしたくなるはずです。そんな関係性を作ることが、ご近所との暖かい人間関係を作りますね。
祖父母に協力を求める
祖父母に子供の世話を頼むことで、ママが休息を取ったり家事に専念したりする時間を作ることができます。祖父母との絆を深めることは、子供の情緒面の発達にも良い影響を与えます。ただし、祖父母の体力や健康状態に配慮することが大切です。無理のない範囲で、協力してもらうようにしましょう。
また、協力してくれる範囲なら良いのですが、実家の親を頼りすぎて夫の立場がなくなるようなことにならないように気をつけましょう。もっとも大切なのは、夫との関係です。
5.ママ自身のストレス管理
ワンオペ育児に疲れているママにとって、自分自身のストレス管理は非常に重要です。適切なストレス管理により、心身の健康を維持し、育児に対する前向きな姿勢を保つことができます。以下は、ママがストレスを管理するための具体的な方法です。
5-1.自分の時間を確保する
育児に追われる毎日の中で、ママ自身の時間を確保することは難しいかもしれません。しかし、自分の時間を持つことは、ストレス解消に非常に効果的です。厚生労働省の調査によると、育児中の母親の約7割が「自分の時間がない」と感じていることがわかりました。以下のような方法で、自分の時間を作ってみましょう。
- 夫や家族に協力してもらい、1日30分から1時間程度でも自分だけの時間を作るようにしましょう。その時間を使って、好きなことをしたり、ゆっくり休憩したりすることで、リフレッシュできます。まずは自分をもてなすことを大切にしてください。
- 子供が寝ている間に、自分の好きなことをするのも一つの方法です。例えば、読書や手芸、ヨガなど、短時間でもできる趣味を見つけることがおすすめです。オンラインで今興味のあることを勉強したり、資格を取ることも将来の役に立つでしょう!
- ベビーシッターや一時保育などの育児サービスを利用して、自分の時間を確保するのも効果的です。週に1回でも利用することで、自分のペースを取り戻すことができるでしょう。
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5-2.ムダな時間を大切にする
勤勉な日本人は、なぜか「時間を有効に使わねばならない」という社会的な思い込みに支配されていますね。
でも、ご自身が中学生だった頃を思い出してみてください。できるだけ寝ていたい、まんがを読みふけりたい、ぼーっとしたい、好きな音楽を聴きまくりたい、お笑い番組をダラダラみて笑いたい。
そんな時間を過ごした覚えがあるでしょう?親からは「時間をムダに過ごしてる!」と叱られたかもっしれませんね。でも、時間がたくさんありすぎて、ゆったりした気持ち、満たされた時間があったはずです。
それに引き換え、大人になるにつれて、何かの目的をもって時間を過ごさなければならない、と思うようになりました。時間があれば、趣味に使うべき、将来役に立つ資格を取るべき。週末には、ゴロゴロしないで掃除をして買い物をして、来週の食事の下ごしらえをするべき。友人とあっておしゃべりをするべき。
そんな風に、役に立つ何か、目的を持った何かのために時間を使わなければならないと思い込んで、忙しくしているのは自分なのかもしれません。
月に一度でもいいから、中学生の頃の自分に戻ってみてください。
- 1時間だけ、海でぼーっとする
- 3時間、まんがを読みまくる
- 映画を3本、どっぷり観る
- ただひたすら、寝る
そんな時間を過ごせたら、パートナーに対して感謝が湧いてくるはずです。あなたは、どんな風に「ムダな時間」を過ごしたいですか?
まとめ
当たり前なことですが、ワンオペ育児に疲れたママが、夫の家事分担を上手に引き出すには、まずは、夫婦間のコミュニケーションを上手に行うことです。
育児の前の「夫育て」が大切です。
「育児だって大変なのに、夫まで!?」と、お叱りの声が聞こえそうですが、夫をあなたの右腕に育てておくことこそ、長い間に渡って家族を支える力になるからです。夫も子育てのエキスパートになってくれていれば、安心して、家事、育児を分担することができますね。
子育ては永遠に続くわけではありません。一時の大変な時期には遠慮をせず、親や近所の人、友人にも、感謝を持って甘えましょう。「子どもは社会のもの」と思って、親以外のいろいろな人たちに囲まれてこそ健全に育つことができると信じて良いはずです。
その第一歩として、まずは、ママ自身が自分のメンタルと健康を保つために「自分を大切にすることにお金と時間を使ってよい」という許可を自分に出すことです。ママの笑顔が、子どもを育て、夫を幸せにしますよ。
ずっとハッピーが続くマリッジライフ応援
ティダテラス 照子
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