夫婦問題カウンセラーの三枝照子です。
夫婦の関係が円満であるためには、効果的なコミュニケーションが欠かせません。
このブログでは、夫婦間の喧嘩を減らし、より良好な関係を築くためのコミュニケーションの方法やアイデアを具体的に紹介していますが、この記事では夫婦の良い関係を築くためのアイディアをがっつりまとめてみたいと思います。
コミュニケーションの重要性や、相手の意見を尊重する方法、感情のコントロールなど、日常生活で実践できるテクニックについて学ぶことができます。
この記事を読むことで、夫婦の絆がより深まり、幸せな関係を築く手助けとなるでしょう。
1. コミュニケーションの重要性を理解する
1.1 夫婦間のコミュニケーションの役割
夫婦間のコミュニケーションは、信頼関係を築く上で極めて重要です。
感情表現が苦手な日本人ではありますが、
「言わなくてもわかるだろう」は、もう古い!
愛情表現であれ、相手への不満であれ
丁寧に気持ちを伝えることで、お互いの理解が深まり、関係が強固になります。
開かれたコミュニケーションは持続的な幸福感を得るための鍵です。
そして、このプロセスには意識的な努力が必要です。
1.2 互いの気持ちを共有するメリット
言うまでもなく、互いの気持ちを率直に共有することで、問題解決能力が向上します。
また、感情を共有することで、ストレスが軽減され、安心感が生まれます。
心理学的に見ても、気持ちの共有が持つ心理的効果は非常に高いです。
ただし、共有すべき感情とは、パートナーに怒りをぶつけることではありません。
それを踏まえた上で、
具体的な対処方法として、以下のステップを試してみてください。
- 定期的に夫婦間で話し合いの時間を設ける
- 感情を押し殺さず、適度に自己表現を行う
- 相手の話を中断せず、最後まで聞く努力をする
- 非言語コミュニケーション(アイコンタクト、ボディランゲージ)を大切にする
2. お互いの意見を尊重する方法
2.1 相手の話をしっかり聞く姿勢
夫婦間のコミュニケーションで最も重要なのは、相手の話をしっかりと聞くことです。
聴き方として以下のポイントがあります。
- 夫婦の間では、向き合って座るよりも90度に座った方が話しやすい場合もあります。
- 途中で口を挟まず、最後まで相手の話を聞きます。
- 次に自分が何を言おうかと考えながら聴かない
- まず相手の話を受け入れた上で自分の意見を述べるよう心がけます。
- 相手にアドバイスをしない
2.2 具体的な対話のテクニック
相手の話をしっかり聞くためには、具体的な対話テクニックを使うことが効果的です。
- 一言目は、「へぇ、そうなんだ」
- 適度な「おうむ返し」(相手の言葉を繰り返す)を用いて、相手の言ったことを確認する。
- クエスチョニング(質問をする)ことで、相手の考えや感情を深く掘り下げる。
- 沈黙=相手が考えている時間
2.2.1 相手の言葉を先回りしない
相手の話を途中で引き取って、相手が言ってもないことを勝手に解釈するのはNGです。
- 「それって、こういう意味!?」
- 「あなたが言いたいのは、こういうことですか?」
相手の話に、口を挟まず、最後まで聴くことが大切です。
何があっても、「決めつけ」はNGです。
2.3 共感の言葉をかける
共感の言葉をかけることで、互いの気持ちを尊重し、理解を深めることができます。共感の言葉を使う際のポイントがあります。
- 「へぇ、そうなんだ」は、相手の話を否定も肯定もしない便利な言葉です。相手に次の話を促す効果があります。
- 「わかるよ、その気持ち」や「大変だったね」などの共感の言葉を適切に使います。
- 相手が困難な状況にある時は、解決策を提案する前にまず共感を示します。
- 解決策を提示したり、相手にアドバイスをしようとすることは無用です。
- 相手が話しているうちに、自分の心が整理されて自ら解決策を見つけることが大切です。
2.3.1 共感の表現方法:
状況 | 共感の例 |
---|---|
疲れている | 「今日は本当に疲れたね。ゆっくり休んでね。」 |
仕事の悩み | 「それは大変だったね。頑張ってるね。」 |
共感を示すことで、相手の気持ちを尊重し、関係がより深まることが多くの研究で示されています。
3. 感情のコントロールとタイミング
3.1 冷静な心を持つためのテクニック
夫婦間のコミュニケーションにおいて、感情のコントロールは極めて重要です。
感情が高まった状態で話し合いをすると、誤解や対立が生じやすくなります。
以下は冷静な心を保つためのテクニックです。
- 【一旦席を外す方法】まず一番に、これをお勧めしています。感情が高まった時は、一時的にその場を離れることで冷静に戻る時間を持つことができます。「少し時間をください」と伝えて、一歩退いてみましょう。トイレに行く、お風呂に入る、近くの喫茶店などに行く、など一人になれる場所に行き、物理的に距離を置くことが有効です。
- 【深呼吸をする方法】感情が高ぶった時に深呼吸をすることで冷静さを取り戻すことができます。深い呼吸を行うことで、自律神経が整い、リラックス効果があります。目を閉じて、ゆっくりと深呼吸を続けましょう。
- 【リラクゼーション法を取り入れること】ヨガや瞑想などのリラクゼーション法を日常的に取り入れることで、感情のコントロールがしやすくなります。瞑想はストレスを軽減し、心の安定をもたらします。
3.2 適切なタイミングで話し合う
話し合いのタイミングも非常に重要です。適切なタイミングを選ぶことで、より建設的な話し合いが可能になります。
- できれば、ゆったりしたカフェなど、人目がありつつ、居心地の良い場所で話すことをお勧めします。小さなお子さんがいる場合には、祖父母の手を借りたり、シッターさんにお願いするのも良いでしょう。子育てに忙しい最中でも、敢えてゆったりした「夫婦の時間」を作ることにお金を惜しんではなりません。
- 余裕のある時間に行うお互いがリラックスしている時間に話し合うことで、感情が爆発する確率を低くします。休日の午後などゆったりした時間を選びましょう。
- 予告をする突然話を切り出すのではなく、「今度の週末、少し話せるかな?」と前もって予告することで、相手にも心の準備をさせることができます。予告をすることで、相手も心の準備を整えることができます。
4. 日常的な小さな感謝を忘れない
4.1 日々の感謝を伝える方法
日常生活の中で夫婦にとって感謝の言葉を定期的に伝えることは重要です。
直接言い忘れた時でも、ラインなどを使って、小さな感謝を伝えることを忘れずに。
- 毎日の「ありがとう」を忘れない。「ありがとう」は相手の「好意」と「行為」があって、言わせていただいている言葉です。
- 家事や育児の助けになったことを具体的に称賛する。「洗濯ありがとう、助かったよ。」など、具体的に感謝の意を伝えましょう。
- 相手の努力を見逃さず、小さなことでも感謝を伝える。相手がどんなに小さいことでも努力している部分を見逃さずに褒めることが重要です。
4.2 小さなサプライズでの感謝表現
感謝の気持ちを短期的に示すだけでなく、サプライズで特別な感謝を表現することも効果的です。
サプライズのアイデア | 効果 |
---|---|
手紙やカードを贈る | 相手が感謝の気持ちを再確認できる。手書きの手紙やカードは特に心に響きます。 |
好きな料理を作る | 努力と時間をかけたことが伝わる。相手が喜ぶ料理を作ることで、特別な気持ちを演出できます。 |
小さなプレゼントを用意する | 特別感を演出し、感謝が伝わる。たとえ小さなプレゼントでも、その心遣いが大切です。 |
4.2.1 具体的なサプライズの例
- 普段しない役目を自分から買って出る。たとえば、掃除を肩代わりするなど。
- 仕事から帰宅する直前に好きなスイーツを購入しておく。相手の好きなものに気を遣うことは大切です。
- 相手の好きな小物を注文する。特に普段から使っているものや欲しがっていたものを選ぶと喜ばれます。
【男性が失敗しやすい例として・・・】
たまのプレゼントに張り切りすぎて、すでに妻が持っている物と似た物を買ってしまうと、
「私のこと、見てないよね」
と落とし穴にはまってしまうことも。
少し値の張る物をプレゼントする時には、妻と一緒に選びに行く方が安全です。
5. 共有の時間を大切にする
5.1 一緒に趣味を楽しむ
夫婦間で共通の趣味を楽しむことで、絆を深めることができます。
ポイントとしては、野球、サッカーなど、男女別の競技や水泳などの個人競技ではなく、男女が一緒に、家族でも楽しめることを、早い段階で始めると良いでしょう。
-
- 料理教室
- アウトドア/バードウォッチング
- 合唱や楽器
- 家庭菜園
- 男女、家族一緒にできるスポーツ(テニス、卓球、合気道など)
一緒に新しい趣味を見つけることで、会話のネタが増え、お互いの理解が深まります。また、家族ぐるみのおつきあいが生まれると、子育てや夫婦の問題が起こったなど、いろいろな場面で助け合えることでしょう。
5.2 定期的なデートを計画する
夫婦関係を長く良好に保つためには、定期的なデートの計画が重要です。デートのアイデアとしては次のようなものがあります。
- レストランでの食事
子育て中の方は特に、夫婦の時間を大切にしてください。子供を中心に生活を廻すばかりで、夫婦の関係をないがしろにしてはなりません。新しいレストランやお気に入りのレストランを訪れることで、特別な時間を共有できます。
- 週末旅行
短い旅行で日常から離れて、リフレッシュすることができます。特に温泉旅行などリラックスできる場所を選ぶと良いでしょう。
- カフェ巡り
おしゃれなカフェでリラックスした時間を過ごすことで、リラックスしながら互いの話をする時間を持てます。
- スポーツ観戦
好きなスポーツの試合を一緒に観戦することで、共通の興奮や感動を共有できます。
最初にデートした場所を訪れる
夫婦間のトラブルがあった時、さりげなく思い出の場所を訪れてみることも効果があります!
6. 喧嘩の後のコミュニケーション術
6.1 冷却期間を設ける重要性
喧嘩直後は、感情が高ぶり冷静に話すことが難しいため、冷却期間を設けることが重要です。冷却期間中は、まず自分自身の気持ちを落ち着かせることに集中しましょう。お互いの感情が高ぶりそうな場面では、物理的に離れて一旦、一人になること。そうなった時には、相手を追いかけないことをルールにします。長く夫婦の不和が続く場合には、お互いの修復を目指すための「プチ別居」をお勧めすることもあります。
6.1.1 深呼吸や瞑想
落ち着くことで感情を整理することができます。深呼吸や瞑想は、自分の内面と向き合う良い方法です。
呼吸法や瞑想が、人の脳を休ませることに効果的なことを、精神科医の久賀谷亮氏が分かりやすく紐解き、具体的な瞑想の方法が書かれています。
6.1.2 一人の時間を持つ
自分の感情に向き合うための時間を持つことが大切です。読書や散歩など、個人の好きなアクティビティを楽しむことは、ストレス発散には効果的ですが、問題の根本解決ではありません。「怒り」やイライラの奥にどんな感情が隠れているのか、下記の記事を参考に自分自身の心を探ってみましょう。気持ちが混乱していたり、自分の気持ちが分からない時こそ、夫婦問題カウンセラーにご相談ください。きっと、あなたの気持ちがスッと軽くなるヒントが得られるでしょう。
6.2 互いの気持ちを冷静に伝える方法
「プチ別居」の場合には、あらかじめ期限を決めておくことが大切になります。別居期間中も、ラインやメールなどの連絡はお互いに入れることを条件にしましょう。冷却期間が終わった後には、冷静に話し合うことが重要です。以下の方法を活用して、自分の気持ちを効果的に伝えましょう。
6.2.1 「Iメッセージ」を使う
「あなたは〜」ではなく「私は〜」という形で話すことが大切です。例えば、「あなたはいつも遅れる」では相手を責めることになります。主語を意識して、「私はあなたが遅れると心配になる」と伝えると、同じことを伝えるのでも、伝わり方が全く変わります。
6.2.2 共感を示す
相手の気持ちに対する理解を示すことで、互いの関係を深めることができます。
- 相手の感情を受け入れる: 「それは辛かったね」と伝える
- 体の言葉を使う: 頷いたり、目を見て話すこと
- 自分都合ではなく相手都合で考える
6.2.3 過去を持ち出さない
人は、過去から学び、同じ過ちを繰り返さないようにすることが大切だと考えがちです。ですが、「失敗から学ばなければならない」「過ちは繰り返すべきではない」という信じ込みを持ってしまうと、自分に対して「悪いことをしたらその分、苦しまなければならない」とか「罪の報いを受けねばならない」というような自分を処罰する感情を持ってしまうことがあります。
また、パートナーに対しては「あなたは何度言っても変わらない、学ばない」「あなたは変わるべきだ」「あなたは過ちをしたのだから苦しむべきだ」という支配的で攻撃的な思い込みに変わってしまうことがよくあります。
- 夫婦喧嘩に過去を持ち出さない
- 今の問題に集中する
- 二人で改善策を考える
難しいことではありますが、夫婦喧嘩になった時こそ過去を持ち出さないと決めてください。
「あなたはいつも〜だ」という言葉から、問題の論点がずれて、感情的な言い合いに発展し、今の問題の解決から遠ざかります。
6.2.4 中立的な場所で話し合う
お互いにリラックスできる場所で話し合うことで、建設的なコミュニケーションが図れます。例えばカフェや公園など。
ポイント | 具体例 |
---|---|
Iメッセージ | 「私は心配です」 |
共感を示す | 「それは辛いね」 |
過去の喧嘩を持ち出さない | 今の問題に集中する |
中立的な場所 | カフェや公園で話す |
6.3 参考書籍とリソース
夫婦のコミュニケーション術をさらに深めるために、以下の書籍やリソースも役立ちます。
- 「夫婦がベストパートナーに変わる77の魔法」(岡野あつこ): 夫婦問題カウンセリングの第一人者。仲直りのアイディアが満載です。
- 「夫婦・カップルのためのアサーション」(野末武義): 夫婦の間でのアサーティブなコミュニケーションを学べます。
- 「『これでいい』と心から思える生き方」(野口嘉則):自身の感情を受け入れ、理解するために役立ちます。
6.4 効果的なカウンセリングとセミナー
夫婦間のコミュニケーションを向上させるためには、専門家の助けを借りることも一つの方法です。
- NPO日本家族問題相談連盟: 夫婦問題に特化した認定カウンセラーを検索できるリソース。
- 課題解決型マッチングメディア「リコ活」: 修復なら夫婦カウンセリング、離婚なら弁護士への相談ができるサイトです。三枝照子へのご相談も、こちらのサイトから承ることができます。
- ストリートアカデミーにて、「夫婦がベストパートナーになるコミュニケーション」講座をオンラインで開催中です。
7. まとめ
夫婦間のコミュニケーションは、人生の質を大きく左右します。相手を変えることはできませんが、相手との関係性を変えることはできるのです。夫婦とは、最も理解しあいたい「大切な味方」であって、決して「敵」でありません。
この記事では、コミュニケーションの重要性や互いの意見を尊重する方法、感情のコントロール、日常的な感謝の表現、共有の時間の大切さ、喧嘩の後のコミュニケーション術、そして向上のためのツールやリソースを紹介しました。冷静な心を保ちながら適切なタイミングで話し合うこと、小さな感謝を毎日伝えること、一緒に共有する時間を持つことが、より良い関係を築く鍵となります。おすすめの書籍やカウンセリング、セミナーも活用し、夫婦の絆を深める努力を続けてください。